閉経後骨量減少予防におけるリコピンの潜在的役割：分子レベルから臨床研究へのエビデンス

骨粗鬆症は、骨密度の低下を特徴とする代謝性骨疾患であり、高齢化社会のQOLに影響を及ぼす。さらに、骨微細構造の破壊と骨中の非コラーゲン性タンパク質の変化により、骨折リスクが高くなる。これは閉経後の女性に最も多い。骨粗鬆症の治療にはある種の薬剤が使用されているが、これらは好ましくない副作用を伴うことがある。果物や野菜から得られる植物化学物質は、骨の健康維持に役立つ微量栄養素の供給源である。その中でもリコピンは、骨量減少に対する潜在的な予防効果を持つことが最近明らかになった。リコピンは脂溶性のカロテノイドで、自然界にはオールトランス型とシス型の両方で存在する。トマトとトマト製品はリコピンの豊富な供給源である。in vivoおよびin vitroの研究を補足するいくつかのヒト疫学的研究では、リコピン/トマトの摂取により骨損失が減少することが示されている。しかし、閉経後女性の骨喪失予防に対するリコピンの効果を評価した研究はまだ限られている。そこで、本総説の目的は、骨生物学および骨粗鬆症の病態生理学の概説を含め、閉経後の骨量減少に対するリコピンの潜在的影響に関する関連文献を、分子学的および臨床的エビデンスとともに要約することである。